じじ日報

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落ちるという推進法
  私たちが乗り物で移動する時いろいろな乗り物を使いますが、とどのつまり作用と反作用の単純な原理に基づいて力を伝えていますね。車や電車は車輪を回して接地点で道路や線路を押すわけです。摩擦抵抗が小さければスリップするし、無ければ進むことができません。人が歩いたり走ったりするときはどうでしょうか?やはり同じことですね。


 しかし、よく考えると少し推進力を生み出す方法が異なっています。車は重心移動がありませんが、人の動作の多くは、歩くことも含めて重心移動を伴います。歩いているときにはあまり感じませんが、スケートをする時、特に、ダッシュしようとする時には重心の移動を実感できますね。抵抗が小さい異常な状況で走らなくてはいけませんので、けり足のブレードがける方向と90度となるようにして思いっきり蹴る。このときに転ばないためには、蹴った力に見合うように体の重心を移動する必要がある。そうすると蹴った方向に推進力が出るのですが、このままでは倒れてしまう。これを避けるためには、もう片方の足で転ぶのを避けるために体重を支える。このときのブレードの向きは蹴った足と重心を結ぶ線上に90度で置く必要がある。今度はここから重心を最初に蹴った足側に移動して倒れ込む、と同時に最初と同じように蹴る。進行方向に対して重心の移動は上から見るとジグザグ。横から見ると加速中は常に前。つまり、僕らはジグザグに前に落ちているわけです。推進力の要素は筋力だけでなく重力が関わっているわけですね。この動作の中で僕たちは重力で落ちていこうとする体を足で支える動作を繰り返していることになります。基本的には歩くのも同じですが、ただ、あまりにも誰にでも当たり前のことなので気がつきません。


 さて、宇宙での推進力といえば燃料を燃して噴出するガスの反作用ですね。これは、車と同じわけですが、人間が歩くような推進方法はないものでしょうかね。ただし、作用点がありませんので極めて困難というよりおそらく不可能。外力で重心の移動が起こるような状況を作ってやれば良いのかな。方法はたぶん任意の空間に質量を作り出すこと。宇宙船の前方に常に大きな質量が存在する状況を作れば、そこに向かって落ちていくことになりますね。...わけわからん。

ハエの狂気


科学者はハエの空間知覚に関する実験を計画していた。


ピンポン球程度の透明球体を用意し、直径1ミクロンのワイヤをx,y,z軸として最大径の内側に張り、ショウジョウバエを交点に固定し原点とした。各ワイヤの一端を圧電素子に接続し、球体の外に固定する。圧電素子からの出力を増幅してコンピュータに取り込んだ。これで、ハエが飛ぼうとした方向を三次元で知ることができた。


一方、使用した球体は液晶あるいは有機ELの球体スクリーンとして作製した。このようにしてハエには仮想現実を与えた。例えば、明ー暗、緑ー茶色ー光などの色やパターン情報、また、画像情報などを任意に与えられるようにした。


このスクリーンに映し出される映像情報はハエの動きに連動して動き、ハエは例えば光りに向かって直進しようと飛ぶとき、真正面に明るいピクセルがあり周囲のパターンはハエの後方へと流れていくように仕組んであった。これに匂い成分を加えれば極めて完成度の高い実験装置となった。


完成したハエに対する仮想現実、世界シミュレータを使って実験を開始した。ハエはそれが現実であると認識し、やりたいことをやりたいようにやり、飛び回っている。ノートパソコンには時系列のデータが流れ込んだ。しばらくの間は、少なくともそのように見えた。


あるときハエは、はたと疑問に思った。「この世界は本当にここにあるのか?」と。ハエはいても立ってもいられなかった。どうしたら確認することができるのか。仮に周囲の仲間の存在を疑ったとしても、彼らが存在して生活しているのかすら既に分からなくなった。そんな疑心暗鬼になっている自分だけがその世界に存在し、その他の存在、世界も、宇宙すらもはや信用できなくなった。


ハエは、周囲のあらゆる仲間を攻撃した。もし、この世界が現実ではないのであれば、そこにいる仲間も現実には存在しない。だから、何をやっても良いし、なんとかして虚構の世界のしっぽをつかみたかった。しかし、何をしてみても彼の実験からは何も得ることができなかった。科学者はその間、様々なデータを蓄積していった。


彼は、もしかするとその世界が何者かによって作り出された仮想現実ではないかとの疑念を持ち始めていた。しかし、何をしてもその「世界」から出ることはできない。それでは、その誰かを失望させればその世界からつまみ出されて、あるべき世界に出られるのではないか。そう思った彼は、唯一残された手段として自殺を企てた。


こうして彼は、彼が妄想した疑念が正しかったことを証明することに成功した。なぜなら、実験者はそれ以上のデータを取得できないくなってしまったからだ。しかし、この事実を認識できたのは、彼の世界を作り実験をおこなっていた科学者だけであり、不幸にも願いのかなった彼には知ることが叶わなかった。


帰宅した科学者は、時折ハエが訳も無く死んでしまう理由について考えていた。

テレビからはいつものように通り魔殺人のニュースが流れていた。



生物のシンメトリー


 花を見ると色々な規則性がある。花には、点対称性、軸対象性、また、回転対象性がある、茎や枝の断面にもある。枝にはフラクタル構造が現れる。


 大まかにxy面で対称性が現れ、z軸にフラクタルが現れているように思える。


 もう少し考えると、xy面はある時間における分化や成長でz軸は時間の経過ととらえることができる。フラクタルを形成している枝の分岐点を一つを注目してみれば、そこにはいろいろな対称性がある。


 その時々の生業を形として残す植物は、このような性質の概念を形として表しているようだ。私たち人をはじめとする動物にも対称性を見ることはできるが、フラクタルはちょっと分からない。細かなことを言えば、血管やニューロンの形がそうなんだろうが。


 それでは、すこし概念の範囲を広げたらどうだろうか?例えば、私たちがおこなっている仕事、研究、学習などの作業についてこうした見方はできないだろうか?しかし、何と何を対応させれば良いのか良くわからない。解析単位が小さいとある時間に行うことができる作業が限られてしまうので、統計的なものの見方ができる程度の母集団の数が必要だ。これは、分子を扱う時、各々の分子は厳密には異なる挙動をしていても集合として観察するときれいな正規分布となるのと同じだ。それで、例えば、社会を見渡してみる。そうするとこの時代における対称性が見えてくる。それで歴史展開して行くとやはりフラクタルが見えてくるだろう。


 こうした目に見えない原子や分子から逆に見えない社会や歴史や文化まで同じ概念で捉えられる考え方というのは、だいたい大事なことだ。


 よし、これからの研究に生かして行こう。




 JUGEMテーマ:自然科学
学会発表

 久しぶりに英語での学会発表をしてきました。その場になるまでは緊張し胃が痛くなる思いでしたが、壇上に立つとすっかり落ち着いてできたと自分では思っています。なんだかリラックスしすぎてよけいなことを言って時間を取ってしまったように思います。


 留学(カナダ)していた時に感じていたことがあります。それは、学習は段階的であることです。英語もろくに出来ないくせに英語圏に行ったものだからまったく分からないところから始めなければなりませんでした。とは言え、データベースとしてはそれなりにあるのですが使うことがとにかく出来ない。だから最初は一生懸命何を伝えようとするのかを予め予習してその場に臨む。そうすると100倍ほども何やら帰って来て降参。これをしばらく(3ヶ月程度)繰り返すと、頭の中にフレーズの音が「残る」ようになって来ることに気がつきます。この状態がまたしばらく続くのですが、いっこうに何ら改善されるわけでもなく、でも、逃げているわけにもいかず仕方ないからいろんな場に積極的に出るようにしてました。更に3ヶ月くらい立った頃、頭の中のフレーズを使ってみることができるようになっていました。そんな感じで、耳、頭、口、耳、頭、口というようにだいたい3ヶ月の単位でだんだんと英語に慣れて行きました。まあ、もともと勉強嫌いなので一生懸命にやろうとか言うこともなく何となくそのようになっていました。しかし、このことは、その後の京都大学の霊長類研究所のチンパンジーの学習が段階的であるとの研究成果とも呼応する観察でした。似たようなことは育児を経験すれば分かりますね。子供の精神的な発達は段階的です。しかも、「段差」にあたる時期に「錯乱」気味になり、かつ、「知恵熱」が出ます。この時期は頭だけがものすごく熱くなりますよ。...手をかざすと温度が分かるのは普通じゃないのかな?...スーパーで唐揚げとか惣菜を買うときはロット差の判断が出来ますよ...秘技...汗


 さて、今回久しぶりにハワイ(英語圏)に行って、いつも旅先でするように、まずホテルでテレビをつけると聞こえてくるのは雑音であることに気がつきました。そうなんです。耳(たぶん聞き取ってから理解する部分に橋渡しする脳の部分)は「さびる」んですね。あらま、こんなことかと思っていました。しかし、だからといって気になるわけでもなく、これまでもそうであったようにテレビや地球環境のこと等気にしない私はつけっぱなしにしていました。そうして3日が過ぎる頃、普通にテレビの内容を理解していることに気がつきました。脳がまた何かにアクセスできるようになったわけですね。可塑性でしょうか、すばらしい。しばらく、本当にしばらく、日常会話として英語を話さなかったので、まだ、口をついて言葉が出ませんが、おそらくしばらくそのような環境に居続ければ戻ってくるのでしょう。


 駅前留学でもしようかな。でも、めんどうだな。もっと、普通の環境で英語に接することができないかな 


JUGEMテーマ:日常
天動説と地動説
 

 学会で高山に行ってきました。


 Varki先生の講演を聴いたことが無かったのですが、すばらしい講演でした。「Evolutionary Biology of Sialic Acids」と題した講演は、10億年スケールの分子と生物の進化の中での感染症をとらえようとする立場でした。大きくでたものですが、すばらしいですね。


 私たちは研究費の申請書を書く時に、目の前にある具体的なゴールを数値で示しなさいといわれてしまいます。これでは、科学の進歩に繋がりません。そんなことは企業がミリミリと進捗報告会を行いながら行えば良い類の研究ですね。これが不必要というわけではありませんが、日本ではもう少し基礎研究に対する理解が欲しいものです。


 さて、学会に参加して夜は毎日宴会で最後には疲労困憊、体も限界です。まだ、体調回復中です。年かな。学会中に細かな良いこともありました。論文が一報出版となり、さらに一報が受理されました。


 部屋の仲間と飲みに行った時のスナップ写真を「主張を持って」重ねあわせてみました。


 ここで言いたいのは、次の表裏一体の二つの事柄。


「陶板焼きに集中するとその周りで何がおこっているか分からない」

「学生さんに集中すると彼が何をしようとしているのか分からない」


私たちは研究の場において複雑な現象を理解するために、ある側面を観察して全体をとらえようとする方法をとります。これは、正しいアプローチですが全体を理解するために優れた方法であるとは限りません。科学でなくても身の回りの出来事や社会現象、政治問題、経済それらの世界動向など何でもそうですね。


 「見えているものが全てではない」ということです。


 「見える」というのは曖昧で、私たちは時として特定の事柄を期待し「見ようとしている」わけで、誤った解釈に繋がる危険性を秘めています。


 あくまでも客観的に「見る」ことが必要ですが、それではしばしば理解に繋がりません。なんとかこの辺のバランスを取りながら(非科学的な表現ですが)科学して行こうと思います。


JUGEMテーマ:こころ

トイレは閑:脳、視覚、認識、リフレッシュ
 wave
多くのトイレの壁はモノトーンで無機質なテクスチャー

座って膝に両肘をつき頬杖をついている

ボ〜ッと前をみている

瞬きはしない!


なぜヒトは瞬きをするのか?


一点を見続ける


目のゴミを取り除くためとか乾燥から防ぐためとか異物の侵入から目を守るためなどと云われているが


しばらくするとダークな不定形(大まかには円形)の「しみ」のようなものが認識できる

眼球を動かしたり、瞬きをすると見えなくなってしまう


あ〜目が乾いてきた


このままの状態で、しばらく”我慢”してください。そうすると「しみ」が動いていることが分かるーーーどのようにかと言うと、視野の中心からしみが現れ同心円状にリングとなって広がっていく

最初のしみがリングとなった時、中心には新たなしみができていく、波紋のように


このとき、一定の周期でこの「波紋」が動くようだったので時間を計ったりしたが、関係のあるのは心拍のようだ

心拍6回に1回しみが現れる

これは、何なのか???


なぜヒトは瞬きをするのか?

目のゴミを取り除くためとか乾燥から防ぐためとか異物の侵入から目を守るためなどと云われているが、

「視覚情報の初期化」(個人的仮説)の可能性は無いだろうか?


だから、まぶたのない生物の場合にはもっと原始的な初期化プロセスが存在すると

このような場合、初期化プロセスは、認識した情報解析のための時間分解に関係すると思われる


突飛押しも無いことだろうか?
核心に迫っているような気がする


...そんなことないって?...そうかもしれない


JUGEMテーマ:こころ

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