じじ日報

<< December 2017 | 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 >>
学問も生活も1次言語の一つ!?

 学生から化学の勉強をどうしてしなければならないのか?と聞かれることがある。究極の質問といえば、そうなのかもしれない。これに対して、教員がすべき答えも何通りか考えることができる。しかし、そのような君の将来のためなどということにあまり大きな意味もない。なにせ大学で学ぶことをそのまま社会人になって利用する機会などとは断言できないまでも皆無であると言って良いからだ。その意味において、大学でなぜ化学を、学問を学ぶのかについて少し考えると、次のようになるかもしれない。

 

 ヒトを始めとする哺乳類は、比較的大きな脳を持つ生物である。なぜ脳が発達したのかと考えれば、判断を迫られたときに適切な判断をしたものが生き残る確率が高かった。また、そのような判断は多岐にわたり、その延長線上にヒトもあって、なんらかの「必要」があるのだと考えることができる。しかし、必要であったから今があるのでは無いのかもしれない。進化について考えるとき、ある変化が起こった後に「選択」が行われる。もちろん選択とは、結果としてそのようになることを指すのだから、選択すべき対象はすでに揃っている必要があるのだから、変化は先に起こりのちに選択される。そう考えれば、ヒトの脳の大きさは、今後の選択材料である可能性もある。

 

 そのような潜在的能力を未来の選択に対する可能性として授かった自分が、それではどれほどそのファンシーな頭を使っているのか考えてみれば、それほど使っていないことに気がつく。これはあくまでも感覚的なものだが、実際に血流量などの計測によって脳が常に活発に機能しているわけではないこともわかる。そうすると、使わないものがそこにあって、必要に迫られたときに使う可能性があるというのにも納得がいく。そのようなものは、あってもなくても良いものであって、なんらかの具合で機能が限定的になっても現状の思考や生活は維持できる。すなわち退化の可能性を秘めているし、また、そのような機会も多いだろうということができる。必要なものは、常に使われなくてはならないのではないのではないだろうか。それでは、もしかすると不必要に大きな脳を何のために使うのかということになる。化学を学ぶためにあるのだと、どう考えてもならない。そうすると、目的は何にせよ、来るべき審判の日に何らかの判断をし、ファンシーなー脳の能力を発揮し得たものの中から次世代を担いうるものが選択されるということだ。


 この仮定に基づけば、学習するのはもはや何でもよく、とにかく何らかの判断材料、これは様々なシチュエーションに対応できるように考え得る、あるいは、考えが及ばないような設問であっても良いいのだが、そのような判断の材料を脳を鍛え使うために与えることが大切であるということができる。しかし、なんとも切ないのは、個人が脳トレをしているからといって、その個人が何らかの不足の選択を迫られた時、また、そのような時に「正しい」判断ができなかった時にいともたやすく将来を否定されてしまうことだ。生命が生き延びるということはそのように曖昧で、個体レベルの話ではないということだろう。しかし、個体の努力がない時、「正しい」選択ができる可能性は下がり、その意味において集団が生き抜く可能性が低下する。だから、いろいろな理不尽を知りつつも、我々は個人としての義務を果たしていかなくてはならないのだろう。

 

 なぜ学ぶのかの問いには、簡単には答えることができない。ただ、遠い未来に我々種族が、あるいは、その末裔が命をつなげる可能性を高めるための努力であるということができるだろう。また、今ある我々は、私は、かつてのそのような個体の努力の賜物であるということもできる。だから、日々生活することも、学校で学ぶことも、ゲームをすることでさえ、私たちの脳を鍛え、回路機能を保つための複雑なパラメータ群であって、この意味において我々は、我々が気づかないところで、1次的に脳でのコンピューティングに関わっている。我々は、脳がどのようにして「思考」を達成してその結果として「判断」へと導いているのかを知らない。しかし、インプットしたパラメータ群とその後のプロセスによって得られた結果は、我々の判断基準を作り、生活を支えている。また、これによって、化学の知識と考える力がつき、これを学んだ者同士での共通認識を獲得するいいうことができる。この知識と判断能力そのものが、脳の一次言語と判断力によって得られるプロセスの全てであろう。

JUGEMテーマ:こころ

コメント
コメントする









 
トラックバック
この記事のトラックバックURL
http://blog.glycoaware.com/trackback/53
 

(C) 2017 ブログ JUGEM Some Rights Reserved.